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■定額残業手当の有効要件

割増賃金(残業代)は、本来、時間外の労働時間に応じ、時間当たりに支給するのが原則(労基法37条)であるが、定額で支払っても、ただちに労基法に違反することにはなりません。

 

【有効性を認める裁判例】関西ソニー販売事件:大阪地裁判昭63.10.26労判53040

時間外労働等に対応する手当を他の賃金と明確に区別して定額で支払う場合には、当該手当額が労基法所定の計算額以上であるか否かを判定することが可能である。そうすると、支払われた定額の手当の額と労基法37条の方法によって計賃した割増賃金の額を比較して、前者が多額な場合には、同法37条違反の問題は生じない。後者の方が多額の場合には、手当の支払は一部のみの支払となり、同法37条に違反する限度で違法となり、その差額分が認容されることになる。

 

1.定額残業手当が、就業規則・賃金規程に残業代として支給することを明示すること。

合理的な内容の就業規則・賃金規程の整備が必要です。

 

2.労働契約書に定額残業手当の内容を記載し、労働者本人と合意すること。

残業代の定額払いは、労基法37条の例外ですので、本人との合意が必要です。

定額残業手当の内容としては、手当の金額、算出方法及び相当時間数等です。

但し、契約書に残業代の定額払いの明示があり、労働者と合意した場合でもその内容が

合理的でなければ無効になりますので、とにかく内容の合理性が重要です。

 

3.給与明細等に可能な限り明示すること。

 

【定額残業手当の裁判例】

※認められない事例

・オンテックス・サカイ創建事件 (名古屋地裁:H17/8/5)

45時間分の業務推進手当が雇用契約の内容となったものとは認められず、

割増賃金の一部とは認められない。

・山本デザイン事務所事件 (東京地裁:H19/6/15)

基本給55万円→基本給41万、業務手当12万に分割し、定額残業とするには

労働者の同意が必要であるとして、割増賃金900万+付加金500万円の支払を命じた。

・バズ美容室副店長事件 (東京地裁:H20/4/22)

美容室副店長の管理監督者非該当、歩合給、職務手当が時間外手当の合意無く、

320万円の割増賃金を認めるが、付加金請求は棄却。

・東和システム事件 (東京地裁:H21/3/9)

職務手当(15,000)の他、特例手当(基本給の約30%)の時間外手当見合いを否定、

課長代理職(従業員数430名)の管理監督者も非該当。

 

※認められた事例(少数)

・SFコーポレーション事件 (東京地裁:H21/3/27)

消費者金融会社での管理手当(8万?10万)を割増賃金の内払いと認める。

賃金規程、個別の雇用契約書、給与明細にも記載。残業時間の計算式を契約書に記載

・東和システム事件【控訴】(東京高裁:H21/12/25)

特例手当(基本給の約30%)の時間外見合いを認める逆転判決

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