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人事労務重要用語

「三菱重工業神戸造船所事件」 「和歌の海運送事件」

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三菱重工業神戸造船所で稼働していた下請企業労働者が騒音性難聴障害を理由として損害賠償請求した事件。労働者は、労務提供に当たって元請企業の管理する設備、工具等を用い、事実上元請企業の指揮監督を受けて稼働し、その作業内容も元請労働者とほとんど同じであった。このような事実関係の下においては、元請企業は下請労働者と特別な社会的接触の関係に入ったものであり、信義則上、下請労働者に対し、下請企業と同様に安全配慮義務を負うとされた。 ( 「三菱重工業神戸造船所事件」 最高裁第1小 H3.4.11)

 傭車運転手の業務は本人の車両を用いていること、タイムカード等の出退勤の管理もなく売上げに応じた報酬が支払われ社会保険料控除もされていないこと等から、原告は運送会社が使用する労働者とはいえない。しかし、運送会社の従業員と同様の業務に従事していたこと、会社の意に反して休んだことにより退職を余儀なくされた者が過去にいた為、原告は休むことができなかったこと等から、傭車運転手には運送会社の指揮監督の下に労務を提供する関係が認められ、雇用契約に準じるような使用従属関係があったといえる。運送会社には傭車運転手の労働時間、休日の取得状況等について適切な労働条件の確保と、労働状態の把握と健康管理、また健康状態に応じた措置を講じるべき安全配慮義務があるとされた。その上で、長期にわたり過重業務に従事させた安全配慮義務違反として、高血圧性脳内出血・脳梗塞の発症と、その後の後遺障害による損害賠償約6,887万円の支払いが命じられた。(「和歌の海運送事件」和歌山地裁 H16.2.9)