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人事労務重要用語

[B]合理性があれば、なぜ就業規則の不利益変更に反対し同意しない労働者にも適用されるのか?という法的理由

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 この件に関しましては、安西 愈弁護士の「労働条件の変更基礎編P151(発行:全国労働基準関係団体連合会)」を紹介(抜粋)させて頂きます。(尚、文章が長いため一部削除しておりますので、ご興味のある方は直に安西先生の書籍をご覧下さい)

 企業経営の必要上どうしても賃金引下げ等の労働条件の不利益変更が必要であるのに労働者の中にそれに反対して同意しない労働者がいる場合に「引下げに同意しないからあなたとの労働契約は、契約条件が整わないので契約継続の合意が成立しませんので契約は続けられません」という解雇(解約)が、本来の契約理論からいうとできるはずなのに、我が国ではそのような理由での解雇が認められていないので、結局経営者と労働者の〝共倒れ〟という事態(少数の人が反対しているからその人の労働条件は従来のままにして多数の引下げに同意した労働者には不利益変更を適用するということは企業の組織性、労働者間の統一性・画一性といった面より事実上困難で企業秩序や勤労意欲にも関係するから到底できない。)を避けるため、「合理的なもの」という条件をもって労働者の保障や利益にも配慮しつつ不利益変更という使用者側の就業規則の変更権限を認めて、反対労働者にも適用する法理(長期的労働契約関係上の信義則と就業規則の法的性質)を認めざるをえないということです。

 契約の自由が厳格に適用できるのであれば、使用者が新たな労働条件の設定を望む場合で、労働者が反対するのであれば単に解雇すればよい。解雇が自由である以上、アメリカでは雇用を維持したまま労働条件を変更する法理を形成する必要性は全くなかった。雇用契約による労働条件の変更は、解雇の自由と密接に絡み合っているのである。労働条件の変更(引下げた新労働条件)に反対する労働者を解雇して新労働条件ならば雇用できるという雇用上の手段が封じられている以上、合理的なものであれば不利益変更が認められなければ、経営の維持と労働者の雇用の確保が困難となり著しく条理に反する結果となります。