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人事労務重要用語

就業規則は整備されていますか?

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就業規則とは− 1.その会社の労働条件の最低基準を示すルール

 企業経営の要請により、労働条件の集合的処理及び統一的かつ画一的な労務管理が必要なことから、労働条件を統一的に規律するための基本ルールと言えます。
重要なポイントは、以下の2点です。
労働基準法(労基法)第93条において、「就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする」と規定していること。
最高裁判所は、就業規則の不利益変更を原則として認めていないこと。
 最初に就業規則を作成する場合、その内容は労働基準法等に抵触しない限り、会社の自由なのですが、一度作成した就業規則を変更する場合は、労働者にとって不利益にはできないと言うことです。つまり、最初が肝心ということです。

 また、就業規則の見直しの時も要注意です。バブルの景気の良い時期に、就業規則を変更し、賃金やその他の労働条件を良くしてしまった会社は、現在、非常に苦しんでおり、人件費の高騰などで企業の存立が危ぶまれております。

 それを教訓として、不利益変更ができないということを常に意識し、就業規則は、作成時の会社の状態で作るのではなく、最悪時のさまざまな状態を想定して作成しなければ後悔することになります。

 就業規則は、「その会社の労働条件の最低基準を示すルール」とご理解下さい。

 不利益変更を認めないのは、今の経済情勢を考えると厳しいように思われますが、就業規則を最低基準と理解すれば、その最低基準をさらに切り下げる不利益変更を認めない裁判所の判断を、少しは理解できるのではないでしょうか。

就業規則とは− 2.労働者とのサインのない労働契約である

 就業規則は労働契約です。サインを交わしていなくても契約は有効に成立しています。このことは、就業規則を約款と考えれば理解しやすいと思います。

 電車や飛行機に乗るときには、運送約款に基づく運送契約を結び、保険に加入するときは保険約款に基づき保険契約を結びます。このような場合、契約の中身を詳しく理解しないまま契約は有効に成立します。運送契約に至っては、通常、契約書にサインはしないのに契約は有効に成立し、約款の内容に拘束されます。

 約款と同じように就業規則は、『労働者は、就業規則の存在および内容を現実に知っていると否とにかかわらず、また、これに対して個別的に同意を与えたかどうかを問わず、当然に、その適用を受ける』ものです。

 就業規則を作成するときは、先述の2点を前提として作成しなければ労務管理としての機能を果たした基本ルールとは言えません。

就業規則は誰のために作るのか?

  就業規則が最低基準だと理解すれば答えは明らかです。
勿論、企業の為です。企業の発展、企業防衛、企業リスクに備える為のものです。 一方、企業が発展するには、社員との調和が不可欠です。企業と社員が共に発展するための橋渡し役(ルールブック)、それが就業規則の役割です。

又、就業規則を最低基準として作成するならば、別途、実際の運用マニュアルが必要な場合があります。それは、共通のものでも構いませんし、特定の個人に限定したものでも構いません。あるいは、個別の労働契約にしても構いません。 就業規則は、労働基準法その他の労働関係法規に抵触しなければ何を書いてもOKということです!

社長が「こうしたい」「社員はこうあるべきだ」と思うことを文章化すれば良いのです。 但し、重要なことは、就業規則には「規範的効力」が認められていますが、その前提として、「その内容が合理的な場合」に限るということです。

つまり、就業規則は、企業が自由に作成することができるが、その内容が「合理的」でなければ労働者への拘束力が生じないということです。 何が合理的か?は、具体的な内容・項目により個別の判断に委ねられます。 合理性の有無の判断は、「社会的な相当性」という総合的な判断が問われます。

就業規則を作成・届出なかった場合の罰則は?
 労働基準法により、ある一定以上(常時10人以上)の労働者を使用する使用者には、就業規則を作成し、労働基準監督署に届出る義務があります。

 作成・届出の義務に違反した場合は、30万円以下の罰金が課せられます

時代の変化に対応した就業規則
 就業規則は定期的なメンテナンス(変更)が必要です。

 労働基準法その他の労働関係法規の改正があれば、最低限、その法改正に対応する必要があります。最近は、2,3年毎に改正が行われていますので、法改正に追いついていない就業規則は多いのではないでしょうか。

 しかし、就業規則のメンテナンスは法改正だけの対応では不十分です。重要なのは、時代の変化に対応することです。ライフスタイルの変化により、一昔前の常識や慣習が通用しなくなりました。IT技術の進歩等に伴う新たな問題への対応も必要です。

今、感じている問題点には何がありますか?
 ・茶髪、派手な茶髪や男性のピアス 等々
 では、どこまでが御社の許容範囲ですか? その基準がなくて困っていませんか? 本人に対しても、指導する上司に対しても具体的なモノサシが必要ではないでしょうか? 一昔前まで、「服装・身だしなみ規程」があるのはホテルや百貨店などの一部の接客業だけでした。 規程を作らなくても「常識」である程度はカバーされてきましたが、その「常識」というものが変わりつつあります。 また、「常識」という制約では、抽象的すぎて納得をさせることができませんし、具体的なモノサシがなければ指導や注意もできません。 あいまいなモノサシではトラブルの元です。「規程」という形で筋道を立てておくことが重要です。
 
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パソコン
  1人に一台づつのパソコンが与えられている会社が増えていますが、勤務時間中の業務に関係ない私用メールや、ホームページの閲覧は困り物です。 パソコン利用規定はありますか?

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秘密保持義務や退職後の競業避止
  転職が当たり前になってきています。企業秘密、ノウハウ、顧客(取引先)の情報などが持出されては会社の損失ははかりしれないものがあります。 また、情報はコンパクトに持ち運びできる時代です。簡単に持出せる分モラルは低下しがちです。 企業秘密等のリスク管理はされていますか? 例えば、在職中はもちろん退職後も企業において知り得た秘密を他に漏洩してはならないという秘密保持義務とその予防について規定していますか? 退職後に企業秘密等が漏洩しないよう一定期間同業他社への就職或いは取引先を持っていくことを禁止する競業避止とその予防について規定していますか?

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特許問題
  青色発光ダイオード(LED)など、記憶に新しいことと思いますが、職務発明規定などにより、会社の権利、従業員の権利を明確にしておくことがトラブル防止につながります。