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重要労働判例特集

アクティリンク事件(東京地裁 平24.8.28判決 11部:篠原絵里)

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事件の概要

 不動産売買、仲介業等を行う会社において、投資用マンションの販売に従事していた。

主な仕事は、売買事業部を構成するグループの上長として、実際にテレホンアポイントに従事するオペレータの業務の管理および指導、願客面談への同行および指導、書類作成のチェック等を行っていたほか、時には自らが直接、テレホンアポイント業務を行うこともあった。

賃金規定13条「営業手当は、就業規則15条による時間外労働割増賃金で月30時間相当分として支給する」と規定。

尚、原被告間の契約は業務委託契約か労働契約か、管理監督者に当たるか否か等は省略

 

裁判所の判断

【1】営業手当は、月30時間分相当の定額割増賃金に該当するかどうか

月30時間分の営業手当は、売買事業部の従業員が顧客と面談する際にかかる諸経費を賄う趣旨または売買事業部の従業員に対する一種のインセンティブとして支給されていたものと見るのが相当であり、実質的な時間外労働の対価とは認められない。

営業手当が定額残業代の支払いに当たるかという点については、「定額残業代の支払が許されるためには、(条件①)実質的に見て、当該手当が時間外労働の対価としての性格を有していることは勿論、(条件②)支給時に支給対象の時間外労働の時間数と残業手当の額が労働者に明示され定額残業代によってまかなわれる残業時間数を超えて残業が行われた場合には別途清算する旨の合意が存在するか、少なくともそうした取扱いが確立していることが必要不可欠である」とした。本件における営業手当は、「実質的な時間外労働の対価としての性格を有していると認めることはできない」とした。なお、条件②についても、上記のような差額の精算を行った形跡はないことから、本件の営業手当は、一種のインセンティブであって、労基法37条1 項にいう「通常の労働時間又は労働日の賃金」に該当するとした。

 

【コメント】

①営業手当について、賃金規定には記載があるが、個別の契約書は無い。

 個別の契約書の有無は影響するのかどうか?

 大した手間ではないので、変更部分の書面化は不可欠ですね。

②差額精算の実態、実績を重視しているようです・・・?

 同じ時期のワークフロンティア事件では、差額精算はほとんど考慮せず、随分違います。